久しぶりに会った友達がくれた手土産。
くまさんのイラストの黄色いパッケージから、くまさんの形のフィナンシェが出てきた。
一口づつ味わいながら、ぽつぽつと、昔のことを思い出す。
初めて会ったのは高校生のとき。
そのあと、ずっと音信不通だったのが、20代半ばで思わぬ再会をして、でも連絡先も交換しないままだったのに、さらにまた思わぬ場所で再開して、それからは、こうして数年おきに会っている。
改めて考えたことがなかったけれど、ご縁があるのだなあ。
私がビール好きなのを知っているから、自分はほとんど飲めないのに、今回も、ビールをおいしく飲めそうな場所をあれこれ探してくれて、そして私は、遠慮なくそれに乗っかる。
ランチを食べながら、ビールを飲みながら、お互いの好きなものについてたくさん話した。大笑いもした。
でも、過去のことや、未来のことは話さなかった。
いろんな夢を見て、それから、たくさんのものを手放しながら生きてきて、お互い、今にいる。
あの頃とは違う未来への不安と、そんな憂いなどなかったあの頃への懐かしさと。でも、それは口にせず。
この歳になると、たまに会うのは生存確認だよね、って笑う人と、またねと別れた。
優しい甘さの愛らしいくまさんのフィナンシェ。
ごちそうさま。